伝統工芸士 高江 雅人-TAKAE MASATO-
一から十まで自分の責任でする職人の世界に魅力を感じて
1985年 田舎暮らしにあこがれ脱サラをして、「自給自足の生活をする事」が第一歩でした。
まず最初に始めたのは、自分の住む家を自分の手で作る事からです。
丸太の皮をむき、一本一本削りながら積み上げていく。
まるで自分の夢をひとつひとつ積み上げているような・・・
その丸太小屋にいまでもすんでいます。
ある時、大分県で唯一の伝統工芸である、竹工芸の職業訓練校の存在と出会い、
別府市にある「竹の職業訓練校」に入校しました。
それまでは、会社の一員として、全体の中の一部分という仕事でした。だから素材の竹割りから、
最後の工程まで全てを一人の職人の手で作っていく作業に魅せられていきました。
卒業作品が全国職業訓練展で労働大臣賞を受賞し、竹の世界に進むことにしました。
この受賞はこれ以後の私にとって、自信と励みになりました。
そして、
1993年 竹工房オンセを設立しました。
受け継がれる伝統の美
大分県は日本一の竹産地です。竹細工にむいた良質な真竹が取れるのです。
古くは室町時代から続いている別府竹細工の伝統は
現在でも、世界的な竹工芸として存在しています。
大分県に縁もゆかりも無かった私に様々な技術を伝承してもらい、沢山の方々に支えていただき
今日の私があります。
2000年には、別府竹細工の伝統工芸士に国から認定されました。
現在、独立を目指す若者たちが集まり意欲的な職人たちが修行をしています。
今度は私が弟子たちに教える番です。
”彼らに何をつたえるのか”
技術はもちろん、竹職人として生きる大変さ、厳しさ、
そして自立する喜びと楽しさを伝えようと思っています。
家作りも作品作りも、物を作り出すということは、私にとって根源的な喜びであり、
山の中の手作り工房で、自然のエネルギーをいっぱい感じながら作り上げた作品を
全国のお客様にお届け出来ることがとてもうれしいです。
全国有名デパートやギャラリーなどで、個展活動を行っています。
何時か何処かで皆様とお逢い出来ることを願っています。